謹啓 時下 金風颯颯の候
この度は 久保寺 第五世 須藤芳山(元檉)和尚の通夜・密葬・津送・新忌齋に際しましてご多端の砌 ご懇篤なるご弔意 且つご鄭重なる御香奠を賜りご厚情の程 有り難く厚く御礼申し上げます
特に花園檀徒会の皆様方には物心両面にわたりご協力賜りましたこと 誠に有り難うございました
お陰様にて滞りなく津送 新忌齋(四十九日法要)までの儀式を厳修することが出来ました
これも偏に皆様の御高配の賜と深く感謝致しております
顧みますれば 師父には大変厳しい中にも慈愛をもって私を育ててくれたように思います あまり褒められた記憶はありませんが 多くの教えをいただきました 住職を交替してからも 常々「禅僧」としての姿勢を教えられてきました
私が大学生の頃に「『この人の為なら死ねる』と 思える人が おまえにはいるか?」と 問われたことがあります 師父のその人は 本日の奠茶導師 則竹秀南老大師のお師匠さまで 妙心寺派管長をお務めになられた山田無文老大師でした 管長在職中に職務で出向されたインドの仏跡巡拝に随行させていただいたのがご縁でした
その後は 老大師やお釈迦様の足跡を辿るかのように 仏跡参拝をライフワークとしてきました 現地に足を運び人々と触れ合いながら そこの空気と 今もなお現前しているお釈迦様と その教えを感じさせていただきながら 自身を見つめることに魅了されたのだと思います
小寺であった当山を 今日のかたちに発展隆盛することができたのも 師父の日々の精進工夫のおかげであります
「禅僧とはどうあるべきか?」と 探求し自己研鑽するとともに 住職と檀信徒との垣根を取り払い 禅僧として布教教化しつづけた生涯であったと思います
「一をもって之れを貫く」というような人でしたので 皆様にはご迷惑に思われ ご苦労をお掛けしたこともあったことと存じます 母の讃美には「三百年豊作の人生であった ありがとう」と言葉を遺しましたが そのような人生を送れたのも有縁の皆様方のおかげであります
師父に成り代わり茲に衷心より厚く御礼申し上げます 長い間ありがとうございました
尚 今後とも私どもにも変わらぬご支援 ご協力賜りますよう何卒宜しくお願い致します
拝趨の上 御礼申し上げるのが本意で御座いますが 略儀乍ら当サイト上にてご挨拶申し上げます 合掌
令和元年十月九日
霊湊山 久保寺 第六世 住職 須藤 翠巖
副住職 須藤 一道
花園檀徒会 会長 葬儀委員長 小口 瀇明
追 記
本日は何かと混雑に紛れ不行き届きの段 悪しからず御海容下さいますようお願い申し上げます